推定相続人の廃除とは

 特定の推定相続人から生前にひどい扱いを受けていた場合、「迷惑をかけられた息子には遺産を渡したくない」「息子とは縁を切りたいし、自分の資産を1円たりとも相続させたくない」など自分の財産を絶対に渡したくない・・精神的苦痛を受けていた相手に大切な財産を渡したくないのは当然の事だと思います。このようなケースで特定の相続人に財産を渡したくない場合に行なうのが「相続廃除」という手続きです。家庭裁判所への申し立てが認められれば、相続権を剥奪できます。




推定相続人の廃除という制度

 方法としては、まず遺言が考えられます。もっとも仮に「次男にすべてを相続させる」という遺言を書いても、長男には遺留分(法定相続分の半分)があるため、あなたの死後、長男が次男に対して遺留分を支払うよう求めるおそれが残ります。そこで考えられるのが「推定相続人の廃除」という制度です。これは、推定相続人(この例でいえば長男)があなたに対して、①虐待や②重大な侮辱を加えたとき、または③推定相続人にその他の著しい非行があったときは、家庭裁判所に「その者を相続人から外すよう」申し立てたり、遺言で廃除を求めたりすることができるというものです。①の例としては末期がんで自宅療養中だった被相続人に「死んでもかまわない」などと述べ療養に極めて不適切な環境にした、②の例としては被相続人にお湯の入ったやかんを投げつけたり罵倒したりなどあります。③の例としては、犯罪をおかして服役したり、被相続人の財産を浪費したなどがあげられます。



廃除の手続きを取り消すことも可能

この「推定相続人の廃除」は有効な方法ですが、裁判所があらゆる申し立てを認めるわけではありません。近年の司法統計によると、廃除の申し立てが認められた割合は20%台前半に留まります。この数字は、単にソリが合わない程度では裁判官は廃除を認めないということを示すものでしょう。廃除されてしまうと、その人は何も相続できなくなるという非常に強い効果があるので、裁判官が慎重に判断しているようです。そのため、しっかりとした証拠(例えば、暴言の録音やメッセージなど)を残しておく必要があります。特に遺言で廃除を申し立てる場合には、生前に証拠を確保しておくことが重要です。万一長男が改心した場合は、廃除の手続きを取り消すこともできますのでご安心ください。



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