日本は世界的に見れば治安がよい国といえるでしょう。しかし、今の時代、戸建も賃貸住宅もセキュリティ対策と無縁ではいられません。スマートロックや防犯カメラといったテクノロジーの発展がセキュリティ意識を底上げしているかもしれません。これからの賃貸住宅市場において、防犯が1つの付加価値になる可能性は十分あるわけで、賃貸オーナーの方々には十分な対策を講じてほしいと思います。
防犯対策は大きく3つあります
対策の1つ目が「侵入者への心理的対策」です。例えば、ダミーの防犯カメラや踏むと音がでる防犯砂利は一定の効果が見込めます。また、暗がりや死角をできるだけ減らすことも重要です。特に道路に面した外廊下などは、入居者のプライバシーに配慮して目隠しつけていることがよくありますが、これは裏を返せば外から見られにくく、犯行に及びやすい環境でもあります。こうした場所には人感センサー付きのライトを設置すると、侵入者への威嚇となると考えられます。
2つ目が「侵入者への物理的対策」。窓からの進入リスクを軽減する一番手軽な方法は補助鍵です。防犯フィルムの貼付も有効ですが、フィルムは経年劣化するので、定期的に張り替える必要があります。また、ガラスそのものを防犯仕様のものに交換する、内窓やシャッターを追加で設置するといった方法もあります。防犯性の高さを証明するCPマークのついた商品であれば、それだけ時間がかかりますから、侵入しようとする者への心理的な抑止効果も見込めます。玄関ドアについては、ピッキング対策として鍵穴が複雑なディンプルキーに交換するのも一手です。建物の設備だけでなく、外構も要注意です。塀や樹木、自転車置き場、ゴミ置き場などによじ登って侵入者が上の階へ到達することもあるので、足がかりになるものを置かないようにすることが重要です。
3つ目が「鍵の閉め忘れ対策」。警察署の発表によれば、侵入窃盗被害の原因で一番多いのは鍵の閉め忘れ(無締まり)なのです。これについては入居者への注意喚起が重要ですが、やはりスマートロックがあると住む人もオーナーも安心できるはずです。IOT機器は値が張るのではないかと導入をためらう方もいますが、スマートロックはドア1つにつき数万円で設置できるので、比較的取り入れやすいと思います。
管理意識の高さをアピールすることが防犯対策
オーナーの方には普段から物件をこまめに管理することを心がけていただきたいと思います。ポストに郵便物があふれていれば「この家は空室だ」「不在がちだ」と察知されてしまいます。それがいわば隙となり、侵入者の標的になる可能性が高まります。要は、パッと見て「この物件は管理が手薄だ」と思われないようにすること。物件の周りは掃除する、壁が剥げていれば塗り替える、庭の植栽の手入れをする、雑草は刈り取るなど、基本的なメンテナンスをしっかり行いましょう。特に荒れた庭は侵入者が身を隠すのにも好都合なので気をつけたいところです。まずは管理意識の高い物件だとアピールすることが防犯対策につながります。まずはオーナー自ら、侵入者の目線で物件を点検してみてください。そして防犯上の弱点はどこか、対策を立てるとすれば何が考えられるかを洗い出し、その中からコストや効果を勘案しつつ優先順位をつけていくのが得策といえます。セキュリティが付加価値を持ち始めた今、ある程度のコストは必要な投資と考え、高い管理意識を持ち、できるところから対策を講じていただきたいと思います。
ベストウイングテクノは1961年創業以来半世紀以上にわたり防水工事を中心に数多くのマンション、アパートの修繕工事に携わってまいりました。投資不動産購入前の外壁診断のご相談も無料で承っております。投資不動産の売却・購入を考えているお客様、ご興味のある方はお気軽にお問い合わせください。